どうも、書道家の戸野大信です。
なんだかこの挨拶は芸人さんが舞台に登場する時の感じに似ているなと思っていますが、このまま続けます!
個展を開催します!詳しくはこちらから↓
本日のテーマは、「個展にかかるお金の話」です。先日携帯を見ていると、「ブランド品ってなんでこんなに高いの!?」という内容の話を目にしました。そして、なんでそのくらいの値段になるのかが分かっているようで分かっていない人が一定数いるなということに気づきました。ということで今回は自分の個展や作品のことを中心に「書道家 戸野大信」というある種のブランドについて話したいと思います。(自分が超有名ブランドと同じだなんていうつもりはもうとうございません。ただ、考え方は同じです。)
まず個展を開催するために必要なのは大きく分けて2つです。
・会場費
・作品制作費
個展を開催する場所を押さえないといけないし、個展で展示する作品を制作する必要があります。
これまでの個展活動は自分でギャラリーを探して、会場を押さえて、自分で搬入・搬出をするという流れでやってきました。当然ここにはいろいろなお金が発生してきます。
でも何より大変なことは、「個展会場を探すこと」です。
人気のあるギャラリーや会場は当然ながら使いたい人が多いのでずっと予約で埋まっているということがほとんどです。その中で自分のタイミングとうまくハマった時にしか個展ができないというのが現状です。なので計画を立てて動いていかないと全然個展ができないなんてことになってしまいます。
これまでに個展を開催した場所は勝手も分かっていて準備は楽なのですが、新しい人と作品が出会う機会を増やすという意味でも「新しい会場探し」は重要になってきます。(なかなか上手くいっていないのが現状です。頑張ります。)
そしてこの会場費というのがポイントでして。値段も実に様々です。経験上の相場はざっくり8〜10万円前後で1週間会場を借りるというイメージです。この会場費を「個展の初日まで」もしくは「予約のタイミング」でお支払いする必要があります。
これがなかなかに活動を継続していくための難所だと思っています。
個展をする→作品が売れる→次の個展をする
という流れがしっかりと出来ているといいのですが、自分自身そんなに簡単なことでもないというのが本音です。少なくとも10万円くらいの作品が2点以上売れないと2回分の会場費すら賄うことができないので。作品の制作費は工夫次第で多少調節はできますが、会場費は節約することができません。
想像してみてください。誰もが知っているブランドが人通りの多い通りにものすごい面積の店舗を構えている、その家賃を。尋常ではありません。それを保っていくためのイメージや認知や満足感がブランドがブランドたる所以です。そしてそれらをしっかりと加味して「値段」が付けられています。
それはもちろん「書道家 戸野大信」においても同じことが言えます。
まず基本的な会場費が個展にかかります。そして、作品制作費、DMやポスターを作ればその費用、もちろん家で個展をするわけじゃないので会場までの移動費だってかかります。
それらを賄っていくために、作品の値段を決めています。
ただ、ここから少しややこしいのですが、「値段=値段だけの価値がある」ということでは無いです。
日用品や消耗品、服もそうかもしれませんが、僕たちは機能性と値段を比較してモノを買っています。例えば「お箸」が必要だとします。箸の形状をしていれば食べ物を掴む機能は備わっています。あとは割り箸がいいのかちょっと装飾性のあるお箸がいいのか。割り箸でも品質がそんなに変わらないのなら少しでも安い方がいい。といった感じでモノを買っていると思います。
でもこれに当てはまらない「機能を必要としていないもの」もあります。例えば玄関や部屋を飾るオブジェ、好きな芸能人やアイドルのポスター、そして僕の作品たちもここに当てはまります。生活に直接必要なものではないけれど、「好きだから欲しい!」というものたちです。
これはそもそも他のものと値段や機能を比較するのではなくて、「自分がどれだけ好きか」ということに僕たちはお金を払っています。
値段=価値 ではなく 値段=好き ということです。
それゆえに絵画1枚に数億円という値段がつくのです。
僕の作品たちは決して安くはありません。その値段を払うほど心が動いたり、作品を好きだという人に求めていただければそれで良いと思っています。間違ってもリスペクトの無い、値切りを求める方に作品を売ることはありません。
ということで、今回は個展のお金の話でした。ひとつ誤解のないようにしていただきたいのは、そもそも作品たちが好きか嫌いかは見る人の自由です。味わい方、感じ方も自由です。専門的な知識も必要ありません。個展にお越しの際にはフラットな気持ちで、ただ時間と空間を楽しんでいただければ幸いです。