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今日の漢字は「夢」
夢と聞いて思い浮かぶ言葉の意味はきっと誰しも同じだと思います。でも、漢字の起源まで遡っていくと始まりは全く違う!!なんてこともよくあります。
今回は「夢」の成り立ちについて詳しく見ていきましょう!!
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「夢」は会意文字
夢は、莧(かん)と夕の組み合わせでできています。
元々の意味
莧は呪術を行う巫女が祈る形。巫女の操る呪霊は、夜(夕)の睡眠中に夢魔となってその心をみだすもので、夢はその呪霊のなすわざとされた。(字統より)
いきなり呪霊なんていうワードが飛び出して来ました。(まるで某アニメのようですね。渋谷事変、すごい!)古来中国では占いが盛んに行われていました。政治についての重大な決定までも占いの結果によって判断していたようです。つまり占いや祈りは当時の人々、とりわけ貴族たちにとってはとても重要で身近なものだったことが伺えます。
どうでしょうか。すでに私たちの使っている「夢」の意味とはずいぶん違いますね!
ここからはもう少し深く掘り下げていこうと思います。
夢はこの文字の省文であり、この文字は「寝」に従う文字です。(変換しても出て来ませんでした。「ぼう」と読みます。以下、「ぼう」と表記します。)
「ぼう」は「宀」と「疒」に従います。ですが「寝」は廟室(埋葬室)に従う形であり、「疒」に従う形ではありません。
「ぼう」は神霊の啓示としてあらわれるもので、その啓示をもたらすものは媚(び)と呼ばれる巫女でした。
寛とは廟中で媚女がお祈りをしている姿であり、夢の上部も莧の形に従っています。
当時は呪霊が夢の中に出て来て種々の暗示を行うものとされていました。それを元に「夢占い」が行われていたのです。その一例として、1年間の夢を調べて悪夢を祓うという行事まであったそうです!!
そして調べていて驚いたことがひとつ。「ぼう」は廟の中で夢魔に逢うことで、そのために衝撃死することもあったとか!それを表す漢字も存在しています。(それがこの文字、薨。こう、と読みます。)本当になんと恐ろしいというか、衝撃です。
ですがこれはあくまでも貴人の話のようでして、庶民の夢はもっと楽しく自由なものだったと記されています。締めくくりには「所詮人の世も夢である」と。なんだか洒落が効いていました。
まとめ
いかがでしたか!?
現代の私たちからするとびっくりするような「夢」の成り立ちだったのでは!?
私たちも「夢」だけに囚われて惑わされることなく、周りにあるものや人を大切にして過ごしていきたいものですね。
◯参考文献
・新訂字統 著者 白川静