クラウドフェンディングに挑戦中!
4月5日〜4月26日まで
こんにちは、戸野です。
奈良教育大学の「書道科」ってどんなところ?
今回は私の母校、奈良教育大学の書道科についてです。
書道を大学で専門的に学ぶというのは具体的に何をするのか。大学を選ぶ際の参考になればと思います!!
About me↓
奈良教育大学とは
- 高等学校 書道
- 高等学校 国語
- 中学校 国語
の免許を取得しています。
奈良教育大学の公式HP、取得できる免許・資格一覧はこちら↓
※大学を卒業して教員免許を取得するたまには必要単位をとり、教育実習を終える必要があります。奈良教育大学の書道科に進学する場合、「書道の技術や知識を身につけたいけれど教育実習にはいきたくない!」という選択はできないので注意してください。
書道科ってどんなところ?
授業ってどんな感じ!?
漢字
仮名
篆刻
書道理論
講義の他にもやる事はまだまだある!
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漢詩を選ぶ
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集字をする
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構成を考える
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練習
集字とは、字書から様々な書き方を探し集めること。
このように作品にする漢詩の字を1文字ずつ集めていきます。
かなりの時間がかかります。
・ここまでは作品を書く工程。
奈良教育大学では作品の、裏打ち・表具を自分たちで行います。(高大展は出品するだけ)
スケジュールを組んでこれらの作業をこなしていきます!夏休みが潰れますね〜。笑
回生展
回生展は大学内のホールで行います。
もちろん会場設営や配置も自分たちで考えます!
教育大展
在学生1〜4回生が展覧会を開催します。会場は会館のフロアを借りて行います。
規模も回生展より大きいです。
またOB、OGの方々も出品する一大イベントになっています。
作品制作、裏打ち、表具はもちろんのこと、会場の予約・搬入に使用するレンタカーの手配などやる事は山のようにあります。
3回生が主体となって展覧会を進めていきます!
高大展
全国の高校生・大学生が出品する展覧会です。
出品するのは基本的に、漢字・仮名・篆刻の3点。人によっては調和体(漢字仮名混じり)も出品する場合もあります。
大変です。締め切りの前はもうドタバタです。(人によります。笑)
卒業論文・作品
4年間の集大成「卒展」
書道科は卒業要件として、以下の2つが必要です。
- 卒業書作展の作品提出
- 卒業論文
4年間書道を学ぶなかで自分のメインとなる書風を決め、作品制作をし、自分の探求したいテーマで論文を書きます。
私は、傅山という人物を選びました。傅山とはこんな人です。
(Wikipediaより引用)
高校生の時、初めて傅山の作品に出会いました。そこから一目惚れです!
大学では傅山の作品を中心に勉強しました。
卒展の作品は、漢字・仮名・自由作品の3展。
私は漢字も仮名も屏風にしました!
漢字は縦2メートル、横3,6メートルの巨大屏風。
仮名は展示のために壁掛けにしました。
こんな感じに配置をしながらやっていました。仮名は準備がギリギリでした。笑
3作品目は祖母に書いたものです。
吉田松陰の「至誠」を草書で書きました。
卒展は4年間の集大成。締め切りに向けて、とにかく書きました。ただガムシャラにするのではなく、自分のスタイルを探しながら少しずつ自分の書が出来上がっていきました。
仲間たちと大学に泊まり込みで作品を書いていました。いい思い出です!
ここで必ず直面する問題について。卒展の作品を書くにあたって、端的にお金がかかります。
私の場合漢字の屏風だったので、紙が50枚10000円〜15000円。紙を2枚つなげて二段にするので一回の練習で1200円くらいかかりますね。笑
ここから更に「表具代」がかかってきます。作品のサイズ・展示方法・表具の豪華さによって大きく変わってきます。
在学中に計画的に準備をしておきましょう!
大学入試について
前述の通り、この大学では書道実技が必要です。
奈良教育大学の書道教育専修の受験には、実技試験があります。
私が受験した時は以下のような内容でした。
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漢字(楷書) 臨書
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漢字(行書) 臨書
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仮名 臨書
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創作
これらの課題を制限時間内に書き上げなくてはなりません。(正直、何度も書き直していると時間足りないですよ!笑)紙も当日配布されるものしか提出できません。練習の際は時間を意識しましょう!!
入試に向けては高校の書道の先生や書道教室の恩師の元で猛特訓しました!
半紙に換算するとざっと少なくとも1000枚は書きました!!
ただガムシャラに書くだけではダメです。高校書道の教科書に出てくる作品の特徴・技法を捉えて書く練習が必要です。
大学入学後に役に立つので、頑張りましょう!(入学してからの方が遥かに大変です。)
※あくまでも私が受験した際のことですので、受験要項をしっかりと確認してください。試験内容が変わっている可能性は十分あります。
大学生活を通して得たこと
私が大学での4年間で得た事は、「自分なりのスタイル」です。
書を学ぶにあたり、大学では過去の書家・能書家の書をベースに学んでいきます。
書く技術を養う上でそれらを学ぶ事はとても大切です。筆の使い方や選び方、腕の動かし方、線質は簡単に身につくものではありません。現代に至るまで多く人に愛され、大切にされてきた書にはそれらの技術が詰まっています。
一方で、目指すゴールがいかにその書家の字に似ているか になってしまうと少し残念に思います。
自分の書きたい字、自分に合った書き方のスタイルを仲間と共に切磋琢磨しながら、たくさん悩みながら見つけていって欲しいと思います。
もちろんそれぞれに目指すところや学びたい事は違うので一概には言えませんが。
4年間大学に通って、「やっぱり書道って楽しいな!」と思ってもらえると嬉しいです。
書道家 戸野大信